No pain, no gain


by sharpens_you_up

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回転木馬のデッド・ヒート
村上 春樹 / 講談社
ISBN : 4062749068
スコア選択: ★★★★

他人の話を聞くのが好きで、
他人の話の中に面白味を見出す才能があると自負する村上春樹の
他人から聞いたお話を文章にした短編集です。

村上春樹が小説を書こうとするとき、画家でいう習作のような
あらかじめ書き留めていた断片的文章(スケッチ)を
その作品のスタイルや展開に応じてつなぎあわしていく作業をするという。
そんな中、どうしても小説には使い切れない「おり」のようなスケッチができる。
そのたまった「おり」たちが「話してもらいたがっている」と感じた村上春樹は
その「おり」、つまりスケッチのマテリアルを
文章にし、小説にしようと書いたのがこの回転木馬のデッドヒートです。

このスケッチはおおかた村上春樹が本人から直接聞いた事実らしいです。
ただ、当人に迷惑が及ばないように細部を一部いじったり、
村上春樹テイストが多少ペーストされているので小説とも言える。
なぜ「スケッチ」という呼び方とするかというとこの本の文章は
小説でもノン・フィクションでもないからだと書いてあった。

ええ、これは短編集なので読みやすかったです。
時間でくきって読めるがまず良かったw
様々な人物がそれぞれのドラマを持っていて、村上春樹というレンズを通して
その生き様や出来事を垣間見ることができる。
僕はなかでも「タクシーに乗った男」と「プールサイド」が好きです。
現実世界の中にある、どこにでもありそうだけど少し考えさせられる。
そんな物語が描かれております。


a0036400_0365964.jpg今日は六本木ヒルズに行ってきた。
東京国際映画祭の東京国際CG映像祭が見たかったからです。
でもチケットはソールドアウト(T-T)。
仕方がないので六本木ヒルズアリーナでやっていた
クロージングパーティーだけ見てきました。
関連サイト(東京国際映画祭)
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by sharpens_you_up | 2004-10-31 23:55 | 書籍

新江ノ島水族館

a0036400_0171045.jpg今日は新江ノ島水族館に行ってきました。
確か今年のGWくらいに
リニューアルオープンしたばかりだったと思います。
ええ、地元の住民としては話のネタのためにも
一度は行っておかなくてはなりません。

リニューアルされる前の江ノ島水族館は
小学生の頃、遠足で一度入ったことがあります。
当時の思い出はあやふやですが、
たしか、熱帯魚を飼っている家にありそうな
小さい家庭用の水槽に魚を泳がせていて
これを水族館と呼んでいいのか?と
子供心に疑問を抱いた記憶があります。
しかし、新江ノ島水族館は違いました。
もう以前の面影は一切なくなり、とても藤沢にあるものとは思えない
八景島シーパラダイス、葛西臨海水族園にひけをとることのない
最新設備の整った、本格的で本気の水族館に生まれ変わっておりました。

で、やっぱり一番びびったのはこの水族館の最大の目玉みなぞうくんです。
ありえない大きさです。ここまでデカイと笑うしかないです。
ちなみに写真の右上に見えるのはあざらしくんです。
やつもカナリ大きいはずなのに視覚がおかしくなります。
これはぜひ生で見てみてください。

隣のプールではイルカくんがジャンプしてました。
土日はショーがないので自由に遊んでました。
僕はそれを見て、野球選手が試合前にバッティング練習している姿を思い出しました。
彼らもプロが持つオーラを持っているのですw
関連サイト(新江ノ島水族館)

今日はその後、茅ヶ崎にヴァイオリニストの名倉さんの室内楽コンサートを聴きました。
秋の癒しを奏でる弦楽器の調べは僕のアルファ波を刺激して、
ホントにぐっすりと睡眠の世界へいざなってくれました。
こっくりこっくりしている僕に、左隣の人は途中で怒って帰ってしまいました。
右隣に座っていた彼女もマジギレ寸前でした。
偉大な音楽家たちに親切にしてもらえるという、クラシック音楽に恵まれた環境にいる僕は
せっかくなのだからもっと興味を持ち、勉強し、
そろそろ文化的な教養を持たなければならないなと思った芸術の秋の1日でした。
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by sharpens_you_up | 2004-10-31 00:48 | 日常

RED WING

1905年チャールズベックマンと14人の仲間が、
ミシシッピ川が大きく蛇行するミネソタ州レッドウィングに一軒の靴工場を建て、
そこでRED WING SHOESは生まれた。
来年2005年に創業100年を迎える。
次々と傑作を生み世界中の人々に愛用されているRED WING。
いまでも靴の製造は手作業で行われている。
関連サイト(RED WING JAPAN)

a0036400_2344359.jpgRW-891
LEATHER Nu-buck leather
SOLE "Traction Tred" gumlite wedge sole
CONSTRUCTION Goodyear welt
DRESSING Red Wing silicone
PRICE 税込 24,045円

レッドウイング知ってますか?
僕は高校時代の3年間ずっとこれ履いてました。
その頃はワークブーツでしたけどね。
とにかく学生服に合わないんだw

ええ、このレッドウイングを十数年ぶりに買いました。
来年で創業100周年らしいですよ。
アメリカントラディショナルですねぇw
ジッポーとレッドウイングは
時代や流行にとらわれないメーカーだと信じております。
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by sharpens_you_up | 2004-10-29 23:05 | 日常

風の歌を聴け

風の歌を聴け
村上 春樹 / 講談社
スコア選択: ★★★★

この本もさら~っとしていて、さら~っと読める本です。
ぽかぽかとした陽気の暇な日曜日とかに読めばいい休日が過ごせる本です。
「村上春樹流、若き日のひと夏の思い出」をノスタルジックに描いた小説です。

きっと誰もが通過するであろう、青春の日々において
不器用で清純な若者たちの自然な毎日の出来事を難しい言葉を使わず、
フランクに分かりやすく、軽いタッチで描いた作品。

デビュー作ということですが、もうすでに村上ワールドの巧妙な風景描写は健在で、
目を瞑るとその情景が浮かんできます。
きっとこの本はストーリーうんぬんよりも、その文章を感じる本なのかなと思いました。
かといってストーリーもそこそこしっかりしているので
読み終わった後のほろ苦さやノスタルジックに浸る感情は与えてもらえます。

でもどうして、青春の思い出って「ひと夏」ってのがついてまわるのでしょうね。
映画でもこの手のタイトルってよく目にするじゃないですか。
夏は人を変えるんですかね。
「あの青春のひと冬の思い出」ってあまり聞かないですよねw
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by sharpens_you_up | 2004-10-29 00:37 | 書籍

イノセンス

イノセンス
/ ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
ISBN : B0000APYMZ
スコア選択: ★★★★★

「現代人の身体(しんたい)は、なくなった。」
僕の崇拝する養老孟司の著書の中の一文である。

現代人が自らの身体を意識する時間は皆無に等しい。
それを証拠に身体を使った何かをやるときにコントロールがままならない。
自分のことを考えるとき、まっさきに意識は脳の中に向かい、身体に向うことはない。

養老氏は著書の中で訴える
「もう一度、身体を意識しろ!」、「身体を、人間を、回復しろ!」と。

また、ジブリの宮崎駿はその自らの映画の中で身体の動きのディテールまで表現し
ノスタルジックな世界感で人間回復を訴えている。
情緒が溢れ、表情が溢れ、身体がある。
身体を失った現代人に元気を与え、その問題を提起している。

しかしそれらを押井守は一掃する。
「現代人の失った身体は戻らない。人間社会はそうゆう流れに向うようにできている。」

僕は「自分の脳の世界」と「自分の身体(しんたい)」を分けて考えるようになったのは
養老氏の本を読むようになってからです。
押井氏は「犬を飼うようになってから。」だと言っていた。

現在の日常生活は車やPCなど便利なものが増え、身体は衰退していく一方です。
押井氏に言わせると人間の身体はもう意識上において、「ないもの」と同然だと言っていた。

僕は養老氏の本を崇拝しているので、「身体を使おう、身体を意識しよう」と
日常生活において、常に身体に目を向けている。

しかし、実際はこのインターネットもそうだが、
現代の便利な身体機能低下社会の恩恵を受け、
楽な方に進むようにできてきる僕の身体は
その養老氏の言葉に従ってる自分に違和感を覚えずにはいられなかったのも確か。

一方その反面、人間の脳の世界はどんどん進化し、その思考や想像は頭の中を溢れ出て
インターネットなどの媒体を通じて、そのエリアを拡大し、留まるところを知らない。
例えば恋愛ですら、いまでは相手の体温や呼吸を感じなくてもネットでできてしまう。
こんなのが一番顕著である。

身体は衰退し喪失し、脳の世界は拡大し進化している。
ここまでは養老氏も宮崎氏も押井氏も同意見だ。

しかし押井氏はこう続けた。
「失った身体は戻らない、
だから身体を失った人間には、失ったなりの有り様があるんじゃないか。」
「それをこのイノセンスで描く。」

僕は押井氏は新しい人間だと思った。
身体回復を信じていた僕は「こんな考えがあるのか?」と衝撃を受けた。
ただ、現在の世の流れを考えたとき、
押井氏の意見のほうが無理がなく、自然な流れなのかもしれないなと思った。

このイノセンスの主人公バトーはこの現代人の象徴のように
脳の一部以外は全てサイボーグ(人間の身体はない)。
彼の抱いている葛藤や虚無感は、現代人が抱えているそれと同じ。

舞台背景はその「人間の脳の進化」を誇示するかのように
凄まじいばかりのCGを駆使した映像美。

そしてこの映画の重要な存在として「犬と人形」がある。
この「犬と人形」は身体を失った人間の「身体の観念上の代替物」と押井氏は言う。

現代人が身体を意識するときは「動物」に触れたときだと言う。
確かに、動物には体温があり、呼吸があり、鼓動がある。
もちろん、そんなものは自分の身体にも当然あるものなのだが、
そのことを意識上で認識するのは動物に触れているときなのだと言う。

そして人間は意識の上で失った身体に対する憧れというか理想を人形に求めるのだと言う。
映画の中の台詞にも
「人間は何故、自分の似姿を造りたがるのか?」と出てくる。

押井氏曰く、このイノセンスは「人形の映画」。
人間の身勝手さに踊らされる人形のせつない物語。

身体を失った人間、犬、人形。それら現代人の象徴を具現化し、
「こうなってしまったからには仕方がない。
じゃあ、どうやって生きていこう。」という押井氏のメッセージがこめられた映画です。

押井氏は新しい。イノセンスは深い。
前作を見てないので物語の背景とかはよく分かりませんでしたが、
非常に勉強になった映画でした。
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by sharpens_you_up | 2004-10-27 23:30 | 映画

ダンス・ダンス・ダンス

ダンス・ダンス・ダンス 上
村上 春樹 / 講談社
ISBN : 4062749041
スコア選択: ★★★★★
ダンス・ダンス・ダンス 下
村上 春樹 / 講談社
ISBN : 406274905X
スコア選択: ★★★★★

先週の金曜日に藤沢の有隣堂で買いまして、日曜の夜には読み終わりました。
読書の秋とはいえ、最近暇さえあれば村上春樹な毎日です。
「自宅で本は読まない」というローカル・ルールもいつのまにか解禁してしまいました。
現実世界と村上春樹の境目がだんだん分からなくなってきるのが少し心配ですw
かっこう。

この「ダンス・ダンス・ダンス」。非常に内容が濃く、読み応えがありました。
「きちんとステップを踏んで踊り続けるんだよ」という羊男と
「まっすぐそのまま歩いていけばいいのよ」というキキにいざなわれ、
危険な運命をすり抜けながら失われた心を探し求める「僕」の冒険を描いた物語。

非常に濃縮された村上ワールドを体験できました。
ページを開いた瞬間に小説の世界に引き込まれます。
僕は電車の中のはずなのに、いるかホテルの暗闇の部屋にいて
自分の部屋のソファーの上なのに、ホノルルのダウンタウンのオフィスビルにいるのです。
僕は「僕」と融合してキキを追いかけ札幌、辻堂、藤沢、箱根、小田原、ホノルルに旅をして、
(僕は藤沢市民で辻堂は僕の家から車で10分のところなので笑った。)
次々とミステリアスでサスペンスな信じられない事件が襲ってきても、
羊男と一緒にきちんとステップを踏むのです。
かっこう。

ええ、実は日常生活でも村上春樹が侵食してきて困ってます。
例えばいままで「吉牛食い行かない?」と言っていたところが
「ねえ、いまから僕らは吉野家に行って豚丼の並盛を頼んで、そこに卵と紅生姜を乗せて
この空腹を満たさないかい?僕の言いたいこと分かるかな?」とか言いそうになるw

今日は「風の歌を聴け」と「回転木馬のデッド・ヒート」を買ってきました。
でもこれ本が薄くて、すぐ読み終わりそうだったので
この「ダンス・ダンス・ダンス」のもととなった「羊をめぐる冒険」の上下巻も併せて買った。
もし僕が村上ワールドから帰ってこれなかったら、
札幌のいるかホテルの羊男の部屋にきて、僕を連れ戻してください。
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by sharpens_you_up | 2004-10-25 23:41 | 書籍

NetworkSolutions

僕は.comドメインを取得するときはNetworkSolutionsで取得します。
このNetworkSolutionsはアメリカでドメイン名を管理している団体で、
2000年の3月にVeriSignに買収されて
僕らは「ニック」と呼んだり「ベリサイン」と呼んだり、時世によって呼び名を変えてきた。
関連サイト(NetworkSolutions)

現在はこの「NetworkSolutions」で落ち着いてきて
ドメイン管理も昔は全部メールかFAXでやりとりしていたのが
いま全てWEBで管理できるようになり、専用アカウントを使い、ログインすれば
ドメイン名の更新手続きやユーザー情報の変更等、簡単にできるようになった。

そんで昨日、僕の管理しているドメイン名のひとつが更新時期が近づいてきたので
更新作業をしようと久しぶりにNetworkSolutionsにアクセスしログインしてみた。

NetworkSolutionsは常に進化している会社なので
ログインするたびにシステムやレイアウトが変更されているのがこのサイトの特徴ですw
英語の分からない僕にとってはいつもこれがやっかいです。

ええ、なんとか無事に更新手続きはできたわけですが、
そのときになんかページの右上のほうに気になる文字を発見しました。

「Hi Tomoya Mo***** , VIP

VIP??
なんだこれと思いヤフーで検索してみた。そしたらこんなページを見つけた。
関連記事(日経BP IT-Pro)

記事の中に以下のように書いてあった。
「大量のドメイン名を管理する顧客向けにVIPプログラムを開始。同プログラムを通して,
新しいアカウント管理ツールや24時間対応サービスなどを提供する」

やばい、僕って知らない間にNetworkSolutionsのVIPユーザーになってる。
これってハッタリとしては十分だよねw

明日から仕事関係者に自慢しようw
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by sharpens_you_up | 2004-10-23 00:22 | ネット

アフターダーク

アフターダーク
村上 春樹 村上 春樹 / 講談社
ISBN : 4062125366
スコア選択: ★★★

水曜日に藤沢の有隣堂で買いまして、翌日には読み終わりました。
ゆっくり読むつもりでしたが、さらさら~って読めて内容もさらさら~ってしてましたw

「ノルウェイの森」で相当ヤラレてた僕は相当ヒイキ目で読んだのですが、
「ええ?まさかこのまま終らないよね?終らないよね~?」って不安になったところで
最後のページになってしまいました。

きっと村上さんはこの小説で新しい世界を切り開こうと
読者を小説の内部に入れて、テーマパークの映像アトラクションのような視点を使ったり
章のはじめに時計を表示して「24」のようなリアルタイムなライブ感を出したり
いろいろ実験的なことをやって奇をてらったのだとは思いますが、
なんせ肝心なストーリーが手薄になっているので
読み終わったあとに不完全燃焼というか
「ええ、これで終っちゃうの?」という印象だけが残った。
ミステリアスな伏線や気になる登場人物のその後もそのまま放置。

主人公マリの姉妹愛に対する心理変化だけはとりあえずまとまった感はありますが、
それ以外の登場人物にもかなりページを占めているわけで、
そのまま読者に丸投げはキツイものがあります。

スタイリッシュな情景描写や幻想的なイメージなどの村上ワールドは健在ですが、
ストーリー重視の僕にとっては「ちょっとこれは・・・。」という作品でした。

今日は「ダンス・ダンス・ダンス」を買ってきました。10月15日に発売されたばかりのやつ。
いま、村上春樹25周年記念オリジナル・カバー版を発売しているようです。
「ノルウェイの森」もそれで買ったわけです。

これはいま上巻の中盤、新しくなったいるかホテルでうろちょろしてるあたりを読んでいます。
これからどうストーリーが展開するのか楽しみです。
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by sharpens_you_up | 2004-10-22 23:39 | 書籍

らんぼう

らんぼう
大沢 在昌 / 角川書店
ISBN : 4041671221
スコア選択: ★★★★

この本も小田急線新宿駅構内にある書店でロマンスカーが発車する5分前に買った本です。
先日ここに書いた「ザ・ジョーカー」のハードボイルド作家、大沢在昌の作品です。

大沢さんもこうゆうの書けるんだ~ってのが最初の印象でした。
マンガを小説にしたような感じなので読みやすかった。
小柄な「イケ」と大男「ウラ」のケンカっぱやい凸凹コンビ刑事が
どんな事件も全て暴力で解決するという痛快・連作ハードボイルド小説です。

ええ、アクション刑事ものってどんな物語でも必ずピンチがあるじゃないですか、
でもこのイケとウラには最後までそれがなかったw

ヒーローものの定義を裏切らないといえばそれまでですが、
なんていえばいいか、
あのPSのバイオハザードの2回目からバズーカーを持って始めるような感じで
どんな事件、どんな悪者、どんな悪組織相手でも
この2人がまったくの無傷でガンガン暴力で解決しました。
もうここまでやってくれれば気持ちがよかったです。
冷めた目で読んでしまっては、これはつまらないものになってしまうでしょうw

小説嫌いな人はこうゆう本から読み始めれば好きになるかもしれませんw
大沢在昌さんの守備範囲の広さがうかがえる作品だなぁと思いました。
電車の中で読む本としては最高でした。でもすぐに読み終えてしまいました。
続編を期待したいものです。
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by sharpens_you_up | 2004-10-19 23:52 | 書籍

ノルウェイの森

ノルウェイの森 上
村上 春樹 / 講談社
ISBN : 4062748681
スコア選択: ★★★★★
ノルウェイの森 下
村上 春樹 / 講談社
ISBN : 406274869X
スコア選択: ★★★★★

短編小説に飽きてきたのでそろそろ長編を読もうと思いまして、
まんをじして村上春樹の「ノルウェイの森」に手を出した。

日曜日に中央林間の本屋で購入しまして、
月曜日の夜にどんな本なんだろうと本を開いたとたん、
そのまま本を閉じることができなくなり
上下巻あるその小説を一気に最後まで読んでしまった。
読み終わったときには翌日の出勤時間になっていたw

タイトルから外国のノルウェイの森の中を舞台にしたお話かと思っておりましたが、ちがって
ビートルズの「ノルウェイの森」が好きな女性を愛した日本の大学生のお話だった。
舞台の大半はこの大学生の東京にある学生寮で、
結局最後まで外国のノルウェイは出てこなかったw

僕はこのお話を30歳を過ぎてから読んでよかったと思った。
これを10代の多感な時期に読んでいたらきっとこの虚無感に耐えられなかったと思います。
それかまだ未熟な僕は
キズキや直子に振り回される主人公ワタナベの心理が理解できなかったかもしれない。
そのどっちかだったと思う。

この本はベストセラーだったので、相当な批評があるとおもう。賛否両論の。
「ノルウェイの森」は精神的な部分がメインテーマになっているので、
そんなものは人それぞれなので、同じ感想にはならないのは当然だと思う。
だから僕も僕なりの意見を書こうと思いました。

僕の崇拝する養老孟司さんの著書「死の壁」の中に
「人の死は三種類に分類される」と書いてある。
それはむかし学校で習った一人称、二人称、三人称と同じ区分ができるらしい。
(1)一人称:I、自分の死
(2)二人称:You、あなた、いわゆる身近の人間の死
(3)三人称:He、She、It、他人の死

人は死を考えるときにもっとも身近に考えられるのは(1)の「自分の死」のように思うのだが、
実際自分が死んだらそれを見ることができないし、自分の死を悲しむこともできない。
つまり生きてる内は「自分の死」は経験できないということです。
だから日常生活する上で実質本当に影響の出るものは(1)でも(3)でもなく
(2)の「身近な人間の死」なんだと思う。
そして、その身近な人間が、無二の親友や最愛の人であればあるほど
その影響力は、その人の人生までをも大きく変えてしまうものなんだと思います。

「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している。」
これは「ノルウェイの森」の中に出てくる無二の親友を失った主人公ワタナベの言葉です。
そう、死は生からかけ離れた独立的な存在ではなく、
残された人間の体の一部としてずっと存在していくものなんだとこの本を読むと分かる。

「ノルウェイの森」は、この大きな悲しみを背負った若者たちのせつない恋愛小説です。
繊細で誠実で孤独な若者たちが何度も挫折や絶望を味わいながら
一生懸命それを乗り越えようとする姿が描かれております。

人間はみな心や精神に歪みがあり、
それを受け入れられるか、気が付かない人が正常な人間らしい。
その歪みを受け入れられない人が精神異常者と呼ばれる人になると書いてある。
僕は幸いにも頭が悪く、心や精神的な歪みに気が付くことがなく普通に生活できているので
排他的な思想で若くして自らの命を絶ったキズキの気持ちは最後まで理解できなかった。
でも直子とワタナベの気持ちは少しだけ理解できたような気がする。
そして、人間が他人にしてやれることの無力さも実感できました。

ワタナベは直子と会えない時間が長すぎて、
どんどん神秘的な女神を作ってしまったんだなぁとか、突撃隊はどこにいったんだ?とか
書きたいことはまだまだいっぱいありますが、ネタバレにしたくないのでこの辺で自重します。
しかし女性の神秘的な美しさを描かせたら村上春樹は日本一なんじゃないかと思ったw
あと性的描写もかなりリアルで随所に出てきます。
でもこれもすべて理由があり、
男にしか分からないかもしれないイメージがそこにあるんです。

これはいい小説でした。
久しぶりに、心に入ってきたというか、読み終わったあとの虚無感はなんともいえない。
ぜひ、時間がありましたら、読んでみてください。
そして、この本について語り合いましょうw
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by sharpens_you_up | 2004-10-19 21:08 | 書籍